とうとう昨年末より、この番組表コラム欄で下田高校南伊豆分校の存続充実問題について書き続けることになりました。
静岡県教育委員会は、2028年度募集停止、2029年度閉校という方針を示しております。しかし現実には今年30名の新入生を迎え、下田方面からも多くの生徒が通学し、現在は全校で70名を超える生徒が学んでおります。
人口減少、過疎高齢化が急速に進む中では有りますが批判や対決ではなく、お互いが一体となって地域を守りたい。賀茂地域は伊豆半島の南半分、約600平方キロ。東京23区とほぼ同じ面積を持ちます。海と山に囲まれ、温暖な気候、豊かな農業・水産業、そして人の温もりが残る地域です。
大学の無い当地に、今、早稲田大学の学生達による「田舎留学プロジェクト」の継続活動が始まっています。先日も東京・日本橋で彼らが開催されたイベント(広報宣伝から物品販売まで)では、南伊豆や下田にゆかりを持つ方々も訪れ、「東京と故郷が再びつながる場」が生まれていました。
学業は大丈夫かなあと心配する私達大人をよそに、若者達は自ら考え、動き、地域を発信しています。むしろ私達大人の方が学ばなければならない時代かもしれません。
揺りかごから墓場まで。
保育園、小学校、中学校、高校、そして大学や地域活動へと、人のつながりが続いていく地域づくりの中で、高校だけを無くして穴を開けてしまってはいけない。
最近では、長命草、レモン栽培、エビの陸上養殖、山林保全など、新しい地域産業の芽も少しずつ動き始めています。特に「賀茂11野菜」の一つである長命草では、地域おこし協力隊として活動を始めた鈴木歩実さんが、生産から加工・販売までを繋ぐ六次産業化へ挑戦を始めました。大学卒業後、都内ハーブ専門店で植物療法を学んだ若い世代が、賀茂地域の自然資源に新しい価値を見出し始めています。
また大阪から移住し、「温泉熱利用の鬼手長エビ養殖」に挑戦する加藤慧さん達の活動も始まっています。
南伊豆分校の生徒達も、地域の大人達や子供達と共に農業や自然保護活動へ参加しています。教育とは教室だけの話ではありません。地域を知り、人と繋がり、自分の生きる場所を好きになることもまた教育です。
5月27日の社会人と一年生による協働授業「大人の農業講座」から、当社小林テレビも、映像制作やライブカメラ、Youtube発信などを生徒自身の手で地域の魅力を外へ発信できるまでのICT利用の応援を始めたいと思っています。
高齢化が進む地域ではあります。しかし一方で、移住者や若い力も確実に存在しています。大切なのは、「どうせ無理」と諦めることではなく、小さくても一歩ずつ地域の未来を作ることです。子供も大人も高齢者も、皆でこの賀茂地域を守りながら、豊かな自然と豊かな心を育てていく。その積み重ねの先に、南伊豆分校の未来もあると思っています。
2026年6月1日 渡辺良平

